まず、t秒間にk個のパケットが発生するモデルは、λを全ユーザーが1秒間に送信するパケットの数として次のポアソン分布になります。
P_p = ( ((λt)^k)/k! )e^(-λt)
また、アロハ方式の規格化スループットは、
1パケット長あたりのパケット発生個数×パケットの成功率
で求めることができます。
よって、ここからは純アロハ方式とスロットアロハ方式のそれぞれで規格化スループットを求めてみます。
以下ではパケット長をTとし、単一パケット内の情報量はすべて等しいものとします。
●純アロハ方式
・パケットの成功率
時刻t_0にパケット長Tのパケットが送信されたときにパケットが成功する確率P_sは、t_0-Tからt_0+Tまでほかのパケットが発生しない(0個のパケットが発生する)確率に等しく、
P_s = P_p(t=2T, k=0) = e^(-2λT)
・1パケット長あたりのパケット発生個数
全ユーザーが1秒間に送信するパケットの数がλなので、パケット長T秒間に発生するパケットの個数は
λT
よって、規格化スループットは
λT×P_s = λTe^(-2λT)
となります。
●スロットアロハ方式
・パケットの成功率
スロットアロハ方式では、ある一定区間で発生したパケットは次のタイミングで送信されるため、パケットが失敗するのはパケットのすべてがほかのパケットと重なってしまう場合のみです。
したがって、パケットが成功する確率P_sはT秒間にほかのパケットが発生しない確率に等しく、
P_s = P_p(t=T, k=0) = e^(-λT)
・1パケット長あたりのパケット発生個数
これは純アロハ方式と同じくλTです。
よって、規格化スループットは
λT×P_s = λTe^(-λT)
となります。
それぞれの規格化スループットはλT=0.5の時最大となり
純アロハ方式で1/2e
スロットアロハ方式で1/e
です。したがって、スロットアロハ方式のほうが最大スループットが高くなります。
投稿日時 - 2019-06-05 21:06:09
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